新型コロナ治療薬レムデシビル、アビガンとはどんな薬なのか?分かりやすく解説

新型コロナウイルスの治療薬の開発が、急速に進められています。現在、日本国内では新型コロナウイルスの治療薬の候補薬として、アビガン、レムデシビル、カレトラ、オルベスコの4種類が有望されています。

その中でも現在、治験の結果からレムデシビルが注目を浴びていて、さらにアビガンは増産が進められています。

新型コロナウイルスの治療薬として、世界から有望視されているレムデシビル、アビガンとはどんな薬なのでしょうか。薬の詳細や、これまでの臨床試験の結果や進行の経過なども分かりやすくまとめてみました。

 

レムデシビルとは

レムデシビルとは、アメリカに本社を置くギリアド・サイエンシズが、エボラ出血熱及びマールブルグウイルス感染症の治療薬として開発されていた抗ウイルス薬です。

レムデシビルは、アメリカの製薬会社、ギリアド・サイエンシズがエボラ出血熱を対象に開発中で、まだ世界のどの国でも承認されていない候補薬だ。

レムデシビルは、数年前にアフリカ中央部、西アフリカ、南アフリカで発症したエボラ出血熱の治療として投与されました。

しかし、別の薬剤より治療効果が劣るとされて投与中止となり、開発は足踏みしていましたが、コロナウイルスを含む一本鎖RNAウイルスに対して、抗ウイルス活性を示すことが明らかになりました。

2月24日にレムデシビルに対して、中国を視察した世界保健機関(WHO)の担当者が「現時点で本当に治療効果があるとみられる唯一の薬」と発言。

新型コロナウイルスの「有望薬」として注目を集めています。

 

 

レムデシビル臨床試験

レムデシビルは、世界第2位の大手バイオ製薬会社であるギリアド・サイエンシズが開発中の治療薬です。

ギリアド・サイエンシズ社は「この薬は治験中のもので、世界のどの国でも認可・承認されておらず、安全性や有効性は確立していない」としていますが、既に、日本でも治験が始まっています。

新型コロナウイルスの有望薬とされているレムデシビルは、現在、米国の国立アレルギー・感染症研究所(NIAID主導)で医師主導臨床試験が実施されています。

 

 

国内で酷の臨床試験

国内でも、国立国際医療研究センター(日本の厚生労働省所管の国立研究開発法人)が、NIAID主導の臨床試験に参加する形でレムデシビルの臨床試験を進めています。

5月にデータが得られる見込みだといいます。

国立国際医療研究センターの研究班の責任者は、国際感染症センター長を務める大曲貴夫医師が担当。

レムデシビルに関しては、中国も臨床試験に着手して4月にも結果が出る見通しとされていましたが、医師主導の臨床試験が中止となりました。

これとは別に、ギリアド・サイエンシズが、日本を含む世界各国で臨床第3相試験を実施中。

ギリアド・サイエンシズでは、これまでの治験とは別に、レムデシビルの効果についてさらに多くのデータを集めるため、新たに横浜市立市民病院など国内の3つの医療機関と連携して、新型コロナウイルスの患者に薬の投与を行う治験を4月14日から始めました。

治験は、重症患者を対象とする試験と中等症患者対象の試験の2本で構成。

日本だけではなく、感染者数の特に多いアメリカ、イタリアなど合わせて4,000人を対象に薬の安全性や有効性を確かめていくということです。

「ギリアド社」日本法人の表雅之開発本部長は「来月中には、有効性に関するデータが一定程度得られる見込み」としています。

重症患者の試験の結果は4月中に、中等症患者の試験の結果は5月に得られる予定です。

 

 

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シカゴ大医学部による治験

4月16日に米医療関連ニュースサイトのSTATは、ギリアド・サイエンシズが開発した抗ウイルス薬「レムデシビル」の臨床試験で、新型コロナウイルスに感染した患者が急速に回復していると報じました。

シカゴ大医学部による治験で、重症の113人を含む125人の新型コロナ患者に投与。

発熱や呼吸器症状が著しく改善して、1週間以内にほぼ全ての患者が退院し、死亡したのは2人のみだったといいます。

現在、日本で有望視されている候補薬は、「アビガン」「レムデシビル」「カレトラ」「オルベスコ」の4種類ですが、「レムデシビル」は最も有望視されています。

 

 

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アビガンとは

アビガンは、富士フイルム富山化学が開発した抗インフルエンザウイルス薬です。

2014年3月に、富山化学工業が日本での製造販売承認を取得しました。

ただし、国が新型インフルエンザの流行に備えて備蓄する、特殊な治療薬です。

新型インフルエンザが流行し、他の薬剤が効かないと日本国政府が判断した場合に、厚生労働大臣の要請を受けて製造を開始するという特殊な承認となっています。

国は現時点で200万人分の備蓄を持っています。

「タミフル」など既存のインフルエンザ治療薬が効かないような、新型インフルエンザウイルスが流行した時に、アビガンの投与開始を検討することになっています。

一般に流通はしていないため、薬価も設定されていません。

富山化学工業は当初、タミフルに代わる新しいインフルエンザ薬としてアビガンを開発しましたが、動物実験で胎児に対する催奇形性の可能性が指摘されたため、緊急の場合のみ製造可能という条件がついてしまいました。

 

 

アビガンの生産

日本政府は緊急経済対策の1つとして、「アビガン」の備蓄量を200万人分まで拡大することを決定しました。

富士フイルムは4月15日、富士フイルム富山化学株式会社を通じて、新型コロナウイルス感染症向けに抗インフルエンザウイルス薬「アビガン(ファビピラビル)」の生産体制を拡大し、増産を開始したと発表しました。

2020年7月には約10万人分、、同9月には約30万人分の生産を実現していき、設備増強や国内外企業との連携を通じて、日本政府の備蓄増や海外からの提供要請に対応していくとしています。

原料に関しては中国に依存していたため、国内生産への切り替えに時間がかかることも課題でしたが、14月7日に化学大手のカネカが、日本製の新型インフルエンザ治療薬「アビガン」の原薬を供給すると発表。

設備投資や人員の配置転換などを行って、製造体制をいち早く整えて7月から供給を開始する方針で、さらに、新型コロナウイルスに関するワクチンや試薬の開発も強化するとしています。

 

まとめ

新型コロナウイルスの治療薬として最も有効とされるレムデシビルは、臨床試験が進められています。アビガンも7月には約10万人分が生産される予定です。

感染者が増える中、1日も私たちに使用され終息する事を期待します。